ミセバヤ+益子の鉢
江戸時代の逸話にも登場するミセバヤ。
高野山の僧がこの花を見つけ、和歌の師匠である冷泉為久卿に送った。この時に「君に見せばや(君に見せたい)」というの添え書きがあった(ミセバヤ(見せばや)・たまのお(玉の緒) – 花の名前・木の名前・名前の由来)
多少肉厚で多肉植物と言えないことはないが、どちらかというと山野草売り場で見受けられることが多い。実家の庭に大株があったり、近所の軒先にあったり、生活に入り込んでいてわざわざ「多肉植物」と意識する人も少ないかもしれない。
そもそもマンネングサとかこの手の植物は多肉化も低いし、ほとんど「草」ですよね。実家にも、うん十年もののミセバヤがテラスにどーんと置かれています。
そんなミセバヤをなぜ買ってきたかですが、富貴蘭展示で上野グリーンクラブへ行ったときにふらふらと常設売店に吸い寄せられ、「日高ミセバヤ」と札のついたコンディションの良さそうな株を見つけてしまったから。
ヒダカミセバヤとは
北海道の固有種 日高、十勝、釧路地方の海岸岸壁やアポイ岳の上部などに分布(ヒダカミセバヤ/みんなの花図鑑)
ということなので、扱いは高山植物ですね。
(※北海道のSENさんのブログ記事から写真をお借りしました)
寒さには強そうだけど蒸れには弱いんだろうな。乾燥にも弱くないだろうけど乾かしすぎると普通に枯れるんだろうな。適度に水は必要か。でも、この色と締まり具合をこの時期まで保っていたのは、売店の陽当たりがよかったからだろうな。うちだと気を抜いたらびんよよよーんって行くよな…
というように推測される、の、ですが。
(ここから長いので、植物だけ見たい方は一気にスクロールしてください)
ヒダカミセバヤの特徴…あれ?
肉質の葉は卵形をした銀緑色地で縁が赤く3枚が茎に付き葉縁には緩い波状鋸歯があります。 葉は秋に紅葉します。 花後に袋果が成ります。 ミセバヤとヒダカミセバヤの違いは、ヒダカミセバヤの方が環境の厳しい場所に咲いているので矮小なことです。(ヒダカミセバヤ(日高見せばや)【かぎけんWEB】)
ヒダカミセバヤの特徴である「鋸歯」がよく見られることです。 この鋸歯が無いタイプはヒダカミセバヤではありません。 現在かなり混乱しているかと思われます。(石田精華園 園主の日記 » 多肉植物 ミセバヤ販売)
…あれ?
購入したのはこれ。鋸歯どこー。
そもそも日高ミセバヤってもっと丸葉っぽいし草姿が違いますよね。うーん。
エゾミセバヤ(カラフトミセバヤ)説浮上
で、上述したSENさんの同じ記事。
これそっくり。エゾビンゴ、ビンゴエゾ、SENさんありがとう、もうミセバヤじゃなくてミセンバヤって呼んでもいいんじゃないかなって思います。
- 北海道生物図鑑「エゾミセバヤ」
- エゾミセバヤ【植物図鑑・撮れたてドットコム】
- カラフトミセバヤ
- 356,カラフトミセバヤ|山野草・還風庵JUNのブログ
- カラフトミセバヤ 3号ポット【日本の多肉植物】【秋の山野草】【山草系宿根草】【日陰の宿根草】【耐寒性宿根草】【旧セダム ムラサキベンケイソウ属】/山野草の石田精華園
いい感じじゃないでしょうか。そして決定的なのはここ。ちょうどヒダカミセバヤとの比較がされていて、エゾミセバヤは
葉の基部が葉柄状になるかどうかが大きなポイント。(中略)葉の基部は葉柄状にならない。縁は常に全縁。(北海道のミセバヤの仲間)
不勉強で「葉柄状」を調べてしまいましたよ。よく葉っぱのイラストにありますが、本体と茎とをつなぐ部分ですね。
この、一本足になってるところね。こういうふうになるものを「基部が葉柄状」になるという。覚えておくと、損はしないけど得するかどうか微妙な知識が増えました。
茎から直接葉っぱが出ている風であればエゾミセバヤってことになるので
全く無いかといえばそうでもないんですが、他に草姿の似たミセバヤも見つからなかったので、エゾでいいや。というより「ヒダカだかエゾだかわからんけどとにかくミセバヤ」でいいんだけど、調べ始めたら止まらなくなっちゃったんです。
それにしてもさすが土着の植物、固有種でも一つ一つ情報が多いわ。販売名はごっちゃごちゃになっている感もありますけど。
Hylotelephium pluricaule エゾミセバヤ
高地かそうでもないかという違いはあれど、北海道に分布するミセバヤということならこちらから見れば管理は似たようなものかなと。普通のミセバヤよりは少し肉厚なので、多少水切れには強いのかなと。大した差は無いと思いますが。
ちゅー。
この先の生長が楽しみです。すでに色褪せはじめておりますがね。できるだけ日照に当てて締めて育ててあげたいけど、この環境以上のことはできないので。
日を浴びる植物の姿は美しいね。
+益子焼の鉢
本当はここからが本題で、サクッと書いてパッと上げようと思ったの。どうしてこうなった?(知らんがな
たぶんこちらも、お気に入りの風兎窯さんの鉢だと思ったな。違ったかしら。とにかく、似合う株を手に入れたら使おうと、とっておいた鉢の一つ。
水やりで濡れた鉢の色もいいんだよね、ってこれは乾いてますけど。
ちょっとでも日照確保できるようにシークレットブーツ履いてます。レンガ。
山野はやっぱり、益子鉢が似合います。これはゆずらん。
※高解像度の写真はFlickrにアップしています。どうぞよしなに。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは、以前サルサルと名乗ってコメントさせていただいたものです。釧路地方の岸壁がものすごくピンポンイントにサルサルの生息地なので、思わずコメントしたくなりました。
そういえばヒダカミセバヤ?なのかも?という子を見たような…岸壁をクライミング中にふと横を見ると、岩の割れ目とかちょっとした棚に、多肉っぽい子がけなげに風に潮風に吹かれています。いまいち名前はわかりませんが…ただ「ぽい」だけの雑草かもしれませんが。
岩場で見つけて「多肉?多肉ってことにしとこう!」と、その辺の雑草?を連れ帰ってくる怪しい人間になってしまいました…
高山植物とかは見てるだけで満足なのですけど、っていうか盗っちゃダメなものですね、あれは。
では、変なコメントで失礼しました
わーーー!!
覚えてますよ、ハンドルが似ていたのでよく覚えてますよサルサルさん!!
お元気でしたか。嬉しいなあ。お久しぶりです。
いいなあ、クライミングなさるんですか?
じかでこのような自生している植物たちを見られるなんてうらやましいの一言です。